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お兄さん②(大哥②)
一生涯病院に行くのが嫌いだったお兄さんは今年の春に病気が発覚した。もう、手術しなくていいと先生に言われた。これを聞いた私はさっそくお兄さんの家に行った。「まだ死なないからしょっちゅう来なくていいよ」と横になったお兄さんは言った。ところが翌日、お兄さんはお姉さん(奥さん)と一緒に掘りたての筍を届けに来てくれた。筍を包んだ紙はまだジメジメしていた。お兄さん夫婦は自分で作った野菜をよく我が家に届けてくれるのだが、いつも土の匂いが付いていて、量が多いので時には近所に分けて食べてもらう。
一辈子不爱上医院的大哥是今年春天发现有病的,据医生说已经不用手术了。我听说后赶紧跑去看他,他躺在那里说“还死不了呢,不用老来看我”。第二天他就与大嫂给我送来了新挖的鲜嫩竹笋,包竹笋的报纸还是湿漉漉的。大哥大嫂常给我送来他们亲手种的新鲜蔬菜,每每带着泥土芳香。每次都是很多,有时我还要分给街坊邻居。

お兄さんは生まれ育ったこの郷里がすごく好きだった。私たちが住んでいるこのあたりは、前世紀の70年代すでに高級住宅地として開発された。しかしお兄さんは相変わらずあの古い民家に住んでいる。そして目の前の大きくもない田んぼをかたくなに守っている。お兄さんはこの田んぼを近くの学校に提供し、あぜ道にしゃがんで子供たちがここで泥遊びする姿にいつも目を細めていた。その代わりに自分は離れた場所で市の畑を借りて好きな野菜を作っていた。
大哥酷爱生他养他的这片土地。我们住的这一带,上个世纪的70年代就被开发成了高级住宅区,可大哥还住在那座老民房里,并坚守着门前那块不大的田地。他把这块田地提供给了附近的学校,他喜欢蹲在田边看孩子们咕捣泥巴。他自己却到较远的地方租了一块市里的地,在那里种些喜爱的蔬菜。

昨年、私と大象が近くで運転している時に遠くにお兄さんを見つけた。そこで車の窓ガラスを下ろして叫んだ。「お兄さん~どこにいくの?」「畑だよ!」とあの表情はまさに遊びに行く子供のように喜んでいた。お兄さんはボロ自転車に乗り、後ろの席には小さな鎌が挟んで遠い畑へ向かっていった。その時の夕日は真っ赤でとても美しかった。私と大象は直ぐには発車せず、お兄さんの後ろ姿がこの夕陽の中に段々と消えていったのをずっと見続けていた。視線を戻して私と大象が目を合わせたとたん、二人ともにっこりと笑った。これこそうちのお兄さんである!この美しい光景は永遠に私の心に映される。お兄さんはこのように逝った、大好きなところへ行ったのだと私は信じたい。
去年我与大象开车行驶在路上,远远看到了大哥,摇开车窗大喊“大哥~上哪里去呀?” “上田里!”那表情就像孩子说要去玩耍般的高兴。他骑着那辆破旧的自行车,后座上别着一把小镰刀奔向远方的田间。当时的夕阳很红很美,我和大象没有马上启动汽车,一直望着大哥的背影渐渐地消失在这夕阳里。收回目光我和大象对视,两人都会心地笑了,这就是我大哥!这副美景永远定格在我的心里,我愿相信大哥就是这样走的,去他喜欢的地方了。

今年の5月ゴールデンウィーク、私は近所の龍君のママと一緒に子供たちを連れて旅行に出かけた。途中でお兄さんが病気になったと話したら龍君のママは見舞いに行きたいと強く言い出した。私たちは近くに住んでおり、普段よく子供を連れてお兄さんの家へ遊びに行く。そこで翌日、私たちは多くの食べ物を作って子供たちを連れてお兄さんを見舞いに行った。その時お兄さんはすでに痩せて弱り始めていたが、子供たちを見て嬉しそうだった。そして、私たちを連れて近くの丘へ筍を掘りに行こうと強く言い出した。土を見るとお兄さんはなおさら嬉しくなった。特に私たちのこの働く喜びを味わうことができたのを見てお兄さんの目はさらに細くなった。
今年五月黄金周,我与附近的小龙妈妈带孩子们去旅行。途中说起大哥病了,小龙妈妈坚持要去看看,因为我们住的都挺近,常带孩子们去大哥家玩。于是第二天,我们作了很多吃的,带上孩子就去看望大哥了。虽然大哥已经消瘦、衰弱,但一看到孩子他就高兴,坚持要带我们去附近的小坡上挖竹笋。一看到泥土他更高兴,特别是看到我们也会享受这种劳动的快乐,大哥就更是笑得眯起了眼睛。
お兄さん②(大哥②)_f0056261_1144149.jpg


7月、花火大会へ出かける前に浴衣の着付けがなかなかできなくて、そこでやはりお兄さんの家へ助けを求めに行った。浴衣をきれいに着付けた私を眺めたお兄さんは突然「蕾さん、ずっと聞きたかったけど、私たちのここにはもう慣れてきたのでしょうか」と私に聞いた。「私たちのここ」というのは大象の実家である。兄弟姉妹、親戚友達、同姓の家族だって近所だけで数世代もいる。しかし、この本家のお兄さんのおかげで、私がここに嫁いで18年、気まずく感じたことは一度もなかった。これは本当のことである。この点については私の北京の両親も結構安心している。たまに大象ともめたりすると私は自然にお兄さんやお姉さんの家へ文句を言いたくなる。お兄さん、あなたが私をよその人と思わなかったから、私もとっくにここを自分の家だと思っているんだよ。
7月,去参加焰火大会前,和服浴衣我怎么也穿不好,于是又跑到大哥家去求援。看着身着和服打扮停当的我,大哥突然问“蕾,老想问问你,习惯我们这里了吗?”所谓“我们这里”指的是大象的老家,兄弟姐妹、亲戚朋友,只在附近光同姓的就好几大家族。可是依仗着本家的这位大哥,我嫁到这里18年就从来没有别扭过。这是真的,让我的北京的父母也感到十分欣慰。与大象偶尔有了别扭,我会自然地想到他的哥哥姐姐那里去诉委屈。大哥,您没把我当外人,我也早就把这里当成自己的家了。


今天是大哥的七七忌日,特写此纪念。
今日はお兄さんの四十九日、お兄さんを偲んで書きます。
2008年11月29日


by tubomim | 2009-03-17 23:45 | 2009年 | Comments(12)
Commented by aoi at 2009-03-18 13:23 x
読ませてもらいました。なんかわかんないけどすごく癒されているかのような暖かい気分になるんです。素晴らしい家族に感激!还要在此谢谢老乡的「提醒」!
Commented by hikkey05 at 2009-03-18 14:02
蕾さん 筍は私にとってもソウルフードです。今住む北海道には竹林を見ることはありませんが、堀立ての筍の香りや懐かしい人の顔まで思い出しています。ありがとう!
Commented by hua at 2009-03-18 16:19 x
真羡慕你能有这样的大哥和大嫂。
读了你的文章,觉得很真实,很感动。谢谢!
Commented by tubomim at 2009-03-18 19:02
>aoiさん:ありがとうございます。お兄さんはごく普通な人ですけど、気難しいところがないので一緒にいるときは本当に素直に、気楽に、そして人間らしさを味わうことができます。
Commented by tubomim at 2009-03-18 19:12
>hikkey05さん:北海道には竹林がないというのは初めて聞きました。こちらではもうじき筍掘りが始まる季節ですよ。
Commented by tubomim at 2009-03-18 19:17
>hua∶谢谢你!平时很自然地相处,现在想想这份自然、淳朴、善良如今很可贵。
Commented by 花子ママ at 2009-03-20 19:39 x
つぼみさん、お兄さんは天国で幸せ者だなぁと思っているね
だってここにお兄さんを偲んで二つもの記事をアップしてもらって
ここに大勢の皆さんが読みにきてくれて。そして
つぼみさんが日本の人と結婚して幸せになれたことを、お兄さんと同じ気持ちで嬉しいと思ったのよ。そして
読んだ皆も嬉しい気持ちをもらって、自分も嬉しくなって。
だから私も嬉しい(笑)
Commented by chenxi02 at 2009-03-20 23:09
お兄さんの連載、とても感動しました。
Commented by tubomim at 2009-03-20 23:34
>花子ママ さん:このように言われると私も嬉しくなりました、書いてよかった。ありがとうございます!
Commented by tubomim at 2009-03-20 23:39
>chenxi02さん:偲んだら文章が長くなりました。さきほど小林さんから電話をもらいました、彼女も一緒にお兄さんの家に行ったことがあると思い出しました、とても出入りしやすく 癒されるところです。
Commented by baijinghy0527 at 2009-03-21 10:38
義兄様、土いじりをしている時が至福の時でもあったんじゃないかな。
筍を取っている皆さん、とてもいい表情をしてらっしゃいますね。
Commented by tubomim at 2009-03-21 11:01
> baijinghy0527さん:仰った通り土いじりが大好きなお兄さんでした。一緒に筍を取ったことはとても楽しい思い出になりました。